今回は、TIG溶接機をする上では絶対に必要なアルゴンガスについて深く掘り下げていきます。
主に個人で購入する際の注意点や購入方法などについて説明します。
TIG溶接機って聞くと個人で導入するにはかなりハードルが高いと思うんじゃないでしょうか?
実際に私もTIG溶接機を購入する際にはかなり悩みました。
特に一番気になるのはアルゴンガスだと思います。
今回はそのアルゴンガスを個人で購入するにはどうする方法が一番良いのか?を私に経験に基づいて解説していきたいと思います。
これからTIG溶接機を購入しようと考えている人の手助けになれればと!
まずは前回のおさらいでTIG溶接機とはどういった物か?
以下の記事をご覧ください。
では、早速本題に入っていきます。
目次
購入方法
個人でアルゴンガスを購入するには主に以下の2パターンがあります。
1、インターネットで購入orレンタル
2、近所のガス屋さんで購入
上記の2パターンについて、メリットとデメリットをそれぞれ挙げていきます。
インターネットで購入orレンタルする際のメリット
1、簡単に購入できる!
一番最初に挙げられるのはやはりこれでしょう。
インターネットでも個人向けに販売している業者が増えてきていますので、探せばいくらでも見つかると思います。
ただ、デメリットの欄でも記載しますが、とにかく高い!
私も最初はこのインターネットで購入していましたが、ランニングコストがかなりかかりました。
2、全てメールでやり取りできる!
これは、コミニュケーション能力の問題かと思いますが、私の様に、人見知りの人にとってはありがたい事ではないでしょうか(笑)
全て取引内容から、支払いまでPCで完結出来ます!電話で話さなくて良いので、気分的には楽です。必要があれば電話でも対応可能です。
インターネットで購入orレンタルする際のデメリット
1、コストが高い!
インターネット購入は便利ですが、一番のネックは購入コストが高い事です。
1年で数回数えるくらいしか使いません!と言う人なら良いですが、私の様に、バイクカスタムや、家具を作るとなると結構なアルゴンガスの量を消費します。
そういった人はインターネットで購入しない方が良いでしょう。
近くのガス屋さんで購入する場合の価格よりも、インターネットで購入すると、倍以上します。
2、アフターケアが悪い
インターネットで購入する場合は、購入する場所にもよりますが、売りっ放しと言う所が多いと思います。
使っているうちに、もしガスボンベの容器にヒビが入った場合なども相談には乗ってくれないでしょう。
買っておしまいといった感じでしょうか。
近くのガス屋さんで購入するメリット
次に近くのガス屋さんで購入するメリットとデメリットを見ていきましょう。
1、コストが安い!!
先ほども言いましたが、インターネットで購入するのに比べると、半分以下の値段で購入できます。
頻繁に溶接機を使う人は絶対に近くのガス屋さんで購入をお勧めします。
2、アフターケアが良い
ガス屋さんにもよるかもしれませんが、いろいろと相談に乗ってくれ融通がききます。
私が購入したガス屋さんはガスだけではなく、溶接機の消耗品なども取り扱っているとのことでした。
近くのガス屋さんで購入するデメリット
1、契約の手間が掛かる
近くのガス屋さんで購入すると、大抵の場合がガス屋さんと契約書を交わすことになると思います。
契約書自体は難しいものではなく、支払いに関する事や名前を書いて印鑑を押すくらいです。
支払いは銀行口座引き落としになるので、銀行口座が必要です。
この辺が手間なので唯一のデメリットでしょうか。
ただ、契約書などは最初の一回だけなので、最初だけ我慢してしまえば後は何も問題ありません。
2、個人では販売してくれない可能性がある!
会社ならいざ知らず、個人、しかもDIYでしか使用しないとなると、なかなかアルゴンガスを販売してくれない場合があります。
ガス屋さんも商売なので、手間がかかるだけで利益幅が小さい個人の対応はしてくれない場合が結構あります。
私も、今購入している、近所で配達までしてくれる業者を探し出すまでに、5社くらい電話とメールをしまくりました。
結構な確率で個人様にはお売りできませんと言われてしまいます。
なので、ここは地道に業者探しをする必要があります。
メリットとデメリットのまとめ
2つの購入方法について、メリットとデメリットの比較をしてみました。
まとめると、
・使用頻度が低い人はインターネット購入でも良いが、ランニングコストがかかるのを我慢すべし! !
・使用頻度が高い人はガス屋さんで購入してたくさん溶接すべし!!ただし、業者探しに苦労するのは覚悟すべし!!
と言ったところでしょうか。
それぞれの使用頻度やお手軽さによって購入する場所を決めると良いと思います。
ヤフオクなどで売られているアルゴンガスはやめておいた方が無難です。
高いお金払っても、アルゴンガスが無くなったらそれでお終いです。
どこで購入したか分からないようなガスボンベは、ガス屋さんもガスの補充はしてくれません。
参考までに私が購入したことがあるインターネットの中でも割とデメリットの少ないと思われるメーカーを記載しておきます。
アルゴンガス自体の料金は高いですが、いろいろと調べた中でお勧めです。
ただし、配達できる都道府県に制約があるみたいなので、いろいろと聞いてみる事をお勧めします。
アルゴンガスボンベについて
続いて、アルゴンガスを入れておく容器(アルゴンガスボンベ)について説明していきます。
アルゴンガスボンベの種類について
アルゴンガスボンベには複数のサイズがあります。
・7立米(7000リットル)
・3立米(3000リットル)
・1.5立米(1500リットル)
・0.5立米(500リットル)
基本的なサイズとしてはこんなところでしょうか。
一般的にアルゴンガスに限らず、ガスボンベには上記の種類があります。
ただ、サイズの事を言われても、アルゴンガスがどのくらいの量なのか分かりにくいと思います。
私がアルゴンガスを使用してきた中で、大体どれくらい使えるのかと、所感を参考程度に記載します。
7立米(7000リットル)
とにかく大きくて重いです!正直持ち上げる事は出来ないでしょう。それくらい重いです。
私も2回ほどこのサイズのアルゴンガスボンベをレンタルしましたが、とにかく重くてガレージまで運ぶのに苦労した記憶があります。
2回目など、ガレージに入れる業者が運ぶ際にコロコロと転がしていったので、ガレージの床の塗装が剥がれてコンクリートが少し削れていました・・・。
それくらい重くて大きいです!
正直、個人で使う分には1年以上持つでしょう。下手したら一回充填したらそのまま一生使えるかもしれません(笑)
私はバイクカスタムでフレーム溶接などを2~3台ほど使用したり、アイアン家具を10台以上作ったりしてようやくアルゴンガスボンベが空になりました。
この大きさの良いところは他に比べてコスパが良いところです。やはりたくさん充填するので、ガスの充填価格も下がる傾向にあります。
ただ、DIYでたまに溶接するくらいであればおススメはしません。
どうしても、レンタル期間が長くなると、使用料金が毎月掛かってしまうので、もったいないです。
逆に、毎日のように溶接します!と言う方ならかなりコスパは良いでしょう!ヘビーユーザーにはお勧めします。
基本的には会社として溶接業をやっている方向けでしょうか。
3立米(3000リットル)
この容器サイズは正直使ったことがありません・・・。
まぁ使用量は7立米の半分くらいと言ったところでしょうか。
私個人的には、このサイズが欲しかったんですが、ガスボンベの価格が結構高かったこと、大きさも結構大きかったのでやめておきました。
1.5立米(1500リットル)
私はこの容器を良く使用します。現在保有している容器もこのサイズです。
これくらいのサイズであれば人の力で簡単に持ち運びできます。正確に測定したわけではありませんが、ボンベの重量は20kgくらいでしょうか。
私の感じる使用量としては、ちょっと少ないかなーと言った感じです。
バイク1台分のフレーム溶接、アイアン家具5台くらいでほとんど無くなっています。
個人的な感想では、ボンベの補充回数を考えると、もう少し大きい方が良いな!と感じます。
0.5立米(500リットル)
最後に0.5立米です。このサイズは小さすぎます。
ほんとに小さくて持ち運びが主体となる場合に効果を発揮しそうです。
どこかに出張に行く際に持って行って溶接するなどでしょうか。
DIYで使用するにも少なすぎると思います。あまりおススメはできませんね。
アルゴンガスの入手方法について
続いてアルゴンガスボンベの入手方法についてです。
インターネット購入、近所のガス屋さん共にアルゴンガスボンベにはレンタルと購入という2種類が用意されてます。
それぞれの特徴を説明します。
アルゴンガスボンベのレンタルとは?
アルゴンガスのレンタルはその名の通り、業者が所有しているガスボンベを借りて、中身のアルゴンガスだけを購入するといった仕組みになります。
アルゴンガスボンベのレンタル料は各社によってまちまちですが、私が以前レンタルしていた場合は、容器レンタル代が月500円程度掛かりました。
ここは本当に業者によっていろいろあるので、調べてみる事をお勧めします。
業者によっては、3ヶ月でボンベを強制返却してもらうところもあるようです。
ガスをたくさん使用するのであれば3ヶ月で返却といった事もできますが、個人で使うには容器のサイズにもよりますが、レンタル代がネックになってくる場合もあるので注意が必要です。
アルゴンガスボンベの容器購入とは?
アルゴンガスボンベの容器購入はいたってシンプルで、業者から容器を購入して自分の物にします。
その容器に対してガスを充填してもらう形になります。
こちらは初回にアルゴンガスボンベの購入代金がかかりますが、それ以降はガス料金だけでOKです。
容器のレンタル代も気にしなくて良いので、期間を気にせずにゆっくりと消費していけると言ったメリットがあります。
好きな時に好きなだけ使用と言ったところですね。
結局のところ、アルゴンガスボンベはレンタルと購入どっちが良い!?
結局のところレンタルと購入はどちらが良いのか?
結論としては、使い方によると言ったところでしょうか。
目安として、レンタルを選択する場合は、3ヶ月くらいで使い切れるボンベサイズをチョイスするのが良いでしょう。
購入する場合は、期間の区切りが無いので、どのサイズでもOKです。ただし、ボンベ容器が大きくなればなるほど、容器代が高くなるので注意してください。
お金と置き場所に余裕のある人は7立米でもokだと思います。
ちなみに7立米はボンベだけで5万円程度します。
1.5立米のボンベで2万5000円くらいでしょうか。
トータル的に自分の使い方や財布と相談してサイズを選択する事が重要です。
ガスボンベの耐圧検査について
圧力ガスのボンベには5年ごとに検査する必要があります。
アルゴンガスのボンベもこの耐圧試験を受ける必要があります。
耐圧試験はガス屋さんで受けることができます。
基本的にはガスボンベを購入した業者で受けるのですが、業者によっては他で買ったボンベでも試験をしてくれるところもあります。
費用は業者によっても違いますが、私がお願いしているガス屋さんでは大体3000円くらいです。
レンタルガスボンベに関しては、この耐圧検査は個人の持ち物ではないので不要です。レンタルしている所のガス屋さんがすべてやってくれます。
そのためのレンタル料やレンタル期間ですね。
アルゴンガスの価格について
最後にアルゴンガスの価格について説明していきます。
あくまでも私の経験なので、参考程度にしてほしいです。
実際に購入する際には自分でよく調べて検討する事をお勧めします。
ボンベレンタルの場合
ボンベレンタルの場合は、ボンベレンタル料金+アルゴンガス充填料金がかかります。
私が購入していたところでは、7立米で11000円で、容器レンタル代が月に500円かかっていました。
1年レンタルで消費するとして、容器レンタル代500円×12か月=6000円となります。
そこにアルゴンガス代の11000円を足すと、全部で23000円かかります。
ボンベ購入の場合
購入はしていませんが、容器代金+アルゴンガス充填料合わせて約5万円くらいとの事でした。
アルゴンガスが無くなったら充填料が6000円なので、1年間で消費するとして、56000円です。
比較した結果、、、
短期的に1年間だけ使用するなどであればレンタルの方が3万円ほど安い結果となりました。
ただしボンベ購入をしてしまえば、期間を気にせずに好きな時にずっと使用することができるので、ボンベ購入の方が気楽です。
仮に5年間使用し続けたとすると以下の価格になります。
レンタルの場合、アルゴンガス代11,000円×5年+容器レンタル代500円×60ヶ月=85,000円
購入の場合、アルゴンガス代6,000円×5年+容器購入代50,000円=80,000円
5年ほど使い続けてようやく価格が逆転してきます。なので、5年以上使い続ける気があればボンベは購入した方が元が取れますね。それ以外はレンタルの方が安く済むと思います。
まぁこれは7立米をレンタルや購入した場合の価格差なので、容器サイズによってはまた変わってきますので注意が必要です。
まとめ
結果としては、私は最初はアルゴンガスはインターネットでボンベレンタルで購入していましたが、溶接機自体を使うときと使わないときの波が激しかったので、ボンベを購入してしまった方が気楽と思い、近所のガス屋さんを見つけて、ボンベの購入に踏み切りました。
私が購入してみて感じたのは、やはりレンタル料が掛からないのが気楽ですね。やはり使っていない時でもレンタル料金がかかると言うのはストレスが溜まりますねぇ。
溶接機を使う頻度やお財布と相談して決めるのが一番ですね!
まぁこの悩んでる時期も楽しかったりするんですが!
それでは!!