前回の続きで、今回は前板を取り外すところから進めていきたいと思います。
前回の記事をまだ見られていない方はこちらからどうぞ!

前板側の金具を外した後は、新しく取り付ける前板の仕上げに入ります。交換する前板にはゴムの木の集成材を使用しています。このままキッチンの前板として使うと、水分を吸収して腐敗の原因となる可能性があるため、自然オイルを使ってしっかりと防水・保護を施します。

オスモカラーとは?

オスモカラーは、天然由来の植物油やワックスを主成分とする塗料で、木材の内部まで浸透し、表面をしっかりと保護しながらも木材の呼吸を妨げない特徴を持っています。耐水性や耐摩耗性に優れ、キッチンや床など、頻繁に水や摩擦にさらされる場所にも適しており、長期的に美しい仕上がりが維持できる点が支持されています。また、有害物質を含まないため、環境にやさしく、子供やペットがいる家庭にも安心して使用できる安全性が魅力です。オスモカラーは、ナチュラルな質感と安全性を両立させたい方におすすめの木材保護塗料です。

わが家でも床や家具などあらゆる箇所に使用しています。今回使用するオスモカラーの色は床の質感と合わせたいと妻から要望がありましたので、ナチュラルなオーク色で仕上げます。自分的にはダークな男前でかっこよく仕上げたかったのですが、残念です・・・。

created by Rinker
オスモ&エーデル
¥5,820 (2025/02/17 03:39:58時点 Amazon調べ-詳細)

下地準備

オスモカラーに限らず、オイルステインや他の塗料を塗布する際には、必ず表面をサンドペーパーなどで削って下地を整えることが重要です。この工程を行うことで、塗料の密着性が大幅に向上し、表面に均一で滑らかな仕上がりが得られます。たとえば、表面が滑らかに整っていると、塗料がしっかりと吸収されやすくなり、ムラができにくくなるため、最終的な美観にも大きく影響します。逆に、この表面処理を省略してしまうと、塗料がはじかれる部分や塗りムラが出やすくなり、思ったような仕上がりが得られなくなります。

このサンディングの工程を手間と感じることもあるかもしれませんが、ここを丁寧に行うかどうかで、仕上がりに大きな違いが生じるので、ぜひ時間をかけてしっかりと進めていきましょう。特に、使用するサンドペーパーは木材用のものを選ぶことがポイントで、ホームセンターなどで簡単に手に入ります。粒度の粗いものから細かいものへ順番に使用することで、表面の凹凸を徐々に均一にし、滑らかで美しい仕上がりに整えられます。

最初の番手は#320番くらいにしておきます。角面も危ないので手が切れない程度に丸くします。

手作業のサンドペーパーが面倒な場合はこういった道具もあります。

ランダムサンダーとかオーダビルサンダーと呼ばれている電動工具ですね。ペーパーが回転しながら木を削ることができます。こういった工具が有るか無いかで作業効率がだいぶ違ってきます。金銭的に余裕があれば購入をお勧めします。

created by Rinker
リョービ(Ryobi)
¥9,061 (2025/02/17 12:30:23時点 Amazon調べ-詳細)

木材だけでなく、ステンレスの表面を削ることで「バイブレーション研磨」と呼ばれる独特な模様を作り出すことも可能です。このバイブレーション研磨は、ステンレスの表面に微細な傷を意図的につけることで、金属に独自のテクスチャを与える技術です。ランダムなサンディングを行うことで、不規則でありながらも視覚的に魅力的な模様が生まれ、光の当たり方によって変化する表情が楽しめます。こうした研磨技術は、見た目だけでなく、触り心地にも独特の手触りを加え、ステンレスを単なる無機質な素材から温かみのあるものへと変えることができるのが特徴です。

ちなみに、この作業台のステンレスもランダムサンダーを使ってバイブレーション研磨を施しています。ランダムサンダーは回転と同時にランダムな振動を加えるため、一定の方向性がなく、どの角度から見ても模様が映えます。こうしたバイブレーション研磨は、厨房のワークトップやインテリアのアクセントにも多用され、実用性と美観を兼ね備えた加工技術として多くの分野で重宝されています。この技術についての詳しい説明は、また改めてご紹介したいと思いますが、表面加工によって金属が持つ表現の幅が広がることをぜひ覚えておいてください。

オスモカラー塗装

下地処理が完成したら、オスモカラーを塗っていきます。オスモカラーなどのオイルステインは通常の塗料などとは違い、木目にしみ込ませるので、薄く伸ばしながら塗ります。
いらないウエスなどでオスモカラーを木に垂らして塗ります。なるべく薄く擦りながら塗ります。この擦りながら塗るのがポイントです。

一面塗ったら、新しいウェスで拭き取ります。ここも擦りながら拭き取ります。少し濡れた感じがあるのを新しいウェスで拭き取ると余分なオスモカラーが無くなり、均一に綺麗に塗れます。

拭き取った直後です。上の画像と比べると艶が無くなって均一に塗れているのがわかると思います。

オスモカラー拭き取った直後

しっかり拭き取れば、乾くのも早いので、しっかりと拭き取りましょう。
本来は24時間ほど乾かしてから使用するのが本当ですが、しっかりと拭き取れば、すぐに乾いてしまうので、次工程に進んでいきます。

前板穴あけ

次の工程は引き出しに取り付けるための穴あけ作業です。
使用する工具は以下になります。

電気ドリルドライバー

木工ドリルビット 10mm

created by Rinker
コンヨ(KONYO)
¥771 (2025/02/16 22:34:39時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
スターエム
¥884 (2025/02/16 15:19:32時点 Amazon調べ-詳細)

ダボマーカー 10mm

木工ドリルビット 2mm

created by Rinker
SK11(エスケー11)
¥377 (2025/02/17 11:14:59時点 Amazon調べ-詳細)

まずは取り外した前板のギャラリーレールがはまっていた穴にダボマーカーをはめます。

ダボマーカーをはめた状態で上から新しい前板を合わせて乗せます。
乗せた状態で上から体重をかけます。この体重をかける事でダボ穴と同じ位置に穴をあける目印がつける事ができます。

目印が付いた状態でダボ錐で穴をあけていきます。
通常の木錐でも良いのですが、穴の深さを一定にしたいため、ダボ錐を使用します。
ダボ錐は穴の深さが決められているので、深く開けすぎて表面側に穴が見えるなどの失敗も防げます。

ギャラリーレールの穴の深さに対してダボ錐の穴の深さがギリギリなので、これ以上あけれないとなったところから、さらに押し込みながら穴をあけます。

こんな感じの穴になります!ちゃんと面取りもされており、綺麗です。

ダボ用キリとダボマーカーの組み合わせは、家具をDIYする際にとても役に立つので、1セット持っておくべき道具の1つです。
価格もお手頃なので、ぜひ試してみてください。

木材の購入は以下のショップで購入をおこないました。
こちらのショップは集成材や無垢材を自在にカットしてもらうことができ、個人でも配送してもらえるので私は毎回お世話になっています。お値段もリーズナブルでお勧めです。私はゴム集成材がコストと見た目でお気に入りです。

本日はここまでです。次回は前板の取り付け編になります。

それでは!